人類学者の雑記ブログ(脳科学から統治理論まで、理系文系幅広く。)


 たとえば、宇宙に人類以外の知的生命体が存在しているとする。その場合、彼ら(宇宙人)は地球上の人間と同様に、自分たちの組織や社会を形成しているのだろうか。
 地球上でしばしば目撃されるUFOは、乗組員である彼ら(宇宙人)がお金を出して企業から購入したものなのか。そして、そのようなUFOを開発する企業では、たとえばエネルギー効率の高いエンジンを開発するために毎日のように技術者が研究に明け暮れ、『より多くの消費者に購入してもらえるように』と考えながら、魅力のあるデザインやマーケティングが追究されているのであろうか。また、そうして生み出されたUFOを購入する消費者は、お金を稼ぐために毎日のように職場に通い、仕事をしているのだろうか。彼らの子ども達は、少しでも給与の高い企業に入るために名門と呼ばれる高校や大学を目指して幼い頃から受験勉強に励み、入学後は部活動やアルバイトなどを行って学生生活を満喫し、卒業が近づくと就職活動を始めるのだろうか。

 この例え話の中で重要な点は、“宇宙人が存在しているか否か”ではない。重要なのは、『知能を持った生命体は、“必然的に”組織や社会を形成するのか』という点である。そして、彼らが組織や社会を形成するのであれば、それら組織や社会の発展と停滞の度合いは、どのような理由から、どのように異なるのだろうか。

 現在、地球上には様々な組織や社会が存在している。しかし、それら組織や社会の発展の度合いはそれぞれ異なっている。たとえば、高い技術力や資金力を持ち、最新技術が駆使された魅力のあるデザインの製品を市場に提供し、従業員には夏と秋に数百万円の賞与を支払い、年間120日以上の休暇を与える“大企業”がある一方で、技術力も魅力もない製品しか市場に提供できず、従業員に賞与も休日与えられない“零細企業” もある。また、高度で複雑な法・医療・教育制度が整い、娯楽、食事、観光が充実し、快適な生活を送ることができる“先進国”がある一方で、失業者や伝染病、犯罪、内戦、汚職、物資の不足などが常態化し、日常生活を営むことにすら困難な“発展途上国”もある。

 この世界には数えきれないほどの組織や社会が存在するが、それらの発展の度合いは一律ではなく大きな差がある。もっとも、どのような大企業や先進国であれ、それらは誕生したときからそのような規模であったわけではなく、始まりは全て、零細企業であり発展途上国であった。それがいつしか“何かしらの要因”によって一部の企業や国が大企業や先進国へと発展していくこととなった。
 今や地球上に大企業と零細企業、または先進国と発展途上国が同時に存在していることは自明であるが、それらの“違い”がどのような要因から生じているのかという点については共通の認識があるわけではない。

 山や海や空などの自然が重力・電磁気力、または陽子や中性子を結び付ける力で形成されていくのに対して、組織や社会は利益を求める主体(個人・集団)が活動する際に生じる“力学”によって形成されていく。そして、社会の中で生じる力学が結果的に、各活動主体(個人・組織)が得ることのできる利益の量を決定付けることになる。すなわち、各活動主体の力学によってある者は利益を獲得し、そしてある者は利益を失う(損失を被る)ことになる。このような図式はどのような小規模な組織であれ、そしてどのような大規模な社会であれ同様にみられ、組織や社会で活動する者は全て、各活動主体(個人・集団)がもたらす力学の影響を受けることになる。この“力学”こそが、世界を構成する『主体力学』である。

 当ブログでは、社会においてどのような主体(個人・企業・政府・国家)がどのように活動することで、どのような利益や損失が生じるのかについて考察し、組織や社会が最も効率的に発展を遂げる過程を明確にしていくことを目的としている。

PAGE TOP