人類学者の雑記ブログ(脳科学から統治理論まで、理系文系幅広く。)

  1. 【図書紹介】
  2. 47 view

【図書紹介】『現実を生きるサル 空想を語るヒト―人間と動物をへだてる、たった2つの違い』

概要

人間が言葉を操り、歯車を発明できたのは、心の力、つまり知的能力のおかげだ。
動物にもこれと似たような知的能力はあるのだろうか。
類人猿は手話を使って意図を伝達し、霊長類やクジラは集団特有の行動を子どもに伝える。
飼っている犬や猫は、あたなの心を推察しているようにみえる。
こうした行動は、人間と同じような知的能力からくるものなのだろうか。
著者は、動物行動学、心理学、人類学などの広範な研究成果から、動物と人間の知的能力の違いをさぐり、私たちの心がもつ2つの性質が高度な知性と人間らしさを生みだす様子を描きだす。

主な目次

1.最後の人類
2.生き残っている親類たち
3.心と心の比較
4.話す類人猿たち
5.時間旅行者
6.心を読む者
7.より賢い類人猿
8.新しい遺産
9.善と悪
10.ギャップにご注意
11.現実の中つ国
12.どこに行くのか?

書評

 同じ類人猿であるヒトとチンパンジーを異なった種族として決定付けた要因がどのようなものであるかについて、人類学や心理学、行動学などの観点から迫っている。
 チンパンジーの認知に関する論文から始まった『心の理論』をはじめ、言語、文法、シナリオ構築、創造性、計画性、我慢といったヒト特有の能力・性質が、チンパンジーとヒトをどれほど異なった種族にしているかを多くの実験結果などを用いて詳細に述べている。ヒトのなんたるかを知るために押さえておきたい一冊。

タイトル: 現実を生きるサル空想を語るヒト 人間と動物をへだてる、たった2つの違い
著者  :トーマス・ズデンドルフ/著 寺町朋子/訳
価格  :2,700円+税
出版社 :白揚社
発刊日 :2015年01月05日
ページ :446頁
サイズ :四六判

本書の関連記事

『言語運用能力は、ヒトの知能や人格にどのような影響を与えるか【1・2】』
『言語運用能力は、ヒトの知能や人格にどのような影響を与えるか【4】』

【図書紹介】の最近記事

  1. 【図書紹介】『人類の歴史を変えた8つのできごとI――言語・宗教・農耕・お金編』

  2. 【図書紹介】『現実を生きるサル 空想を語るヒト―人間と動物をへだてる、たった2つの違い』

  3. 【図書紹介】『ヒトの心はどう進化したのか:狩猟採集生活が生んだもの 』

  4. 【図書紹介】『ことばと思考』

  5. 【図書紹介】『脳と心のしくみ』

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP