人類学者の雑記ブログ(脳科学から統治理論まで、理系文系幅広く。)

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2018 FIFA ワールドカップ ロシア大会『日本VSベルギー』戦は、私たちに何をみせたか。人類学を踏まえての感想。

 連日連夜にわたって報道が過熱したワールドカップロシア大会。ニュース、新聞、ワイドショー、インターネットなどの各種メディアで空前の盛り上がりを見せた。これほどまでに日本全土が盛り上がったのは、『サピエンス全史』の著者である歴史学者・ユヴァル・ノア・ハラリの言葉を借りれば、『国家』『民族』という“フィクション”に基づく一体感ゆえかもしれない。

 そして、多くの国民、サポーターを夢中にさせたのは、ヒト特有の『空想』する能力である。『現実を生きるサル 空想を語るヒト』の著者であるトーマス・ズデンドルフは、“シナリオを心のなかで生み出す際限のない能力”こそがヒトとその他の動物を分ける特徴としている。
 対戦チームの全てが上位にランクインしているグループでありながら、予選リーグを突破した日本。その快進撃とヒト特有の空想の能力が、多くの人たちに日本の勝利を想像させ、期待を抱(いだ)かせた。

 今日のベルギー戦は、過去に一度としてベスト16以上に進んだことがない日本が初のベスト8をかけた歴史的一戦だった。

1.想像と認識

 激しい攻防が続くなか、前半が0-0で終わる。均衡が崩れたのは後半開始3分。原口選手がゴールを決める。その瞬間、私の感想は『ウソでしょ?』だった。日本の勝利(ゴール)を懐疑的に思っていたわけではなかったが、それでも世界の強豪ベルギーを相手にゴールを決めるその姿に、驚きは隠せなかった。後半7分、立て続けに乾選手がゴールを決めたときも同様に『ウソでしょ!!?』の一言だった。FIFAランク61位の日本が、FIFAランク3位のベルギーを相手に2点を先制するという展開に、私の認識は追いつかなかった。

 しかしその後、風向きが変わる。相手チームのフェルトンゲン選手のゴール、さらにフェライニ選手のゴール。そのときの私の感想も『ウソ…?』だった。そして後半49分、残り時間が数十秒となった場面でシャドリのゴール。これが一番信じられなかった。

 ゴールを決めても決められても、私にとってはそのいずれも“信じられない”展開であり、周囲の反応もまた同様だったことが印象深かった。結局のところ、ヒトは未来を空想する生き物でありながら、何が起きても信じられない生き物なのかもしれない。

2.想い

 今回の結果を受けて、私は悔しい思いをした。
『日本』というチームはこれからも存在し続けるだろうけれども、今大会で30歳を超える選手にとっては人生で最期のワールドカップになるかもしれない。一生涯を通じて二度と訪れないこの機会を逃した彼らの悔しさと無念さは、もはや私のそれとは比較にならない、計り知れないものだと思う。
 同時に、国家・民族という境界線の認識、そして空想の能力ゆえに、ワールドカップは大いに盛り上がり、夢を与えてくれた。全てを出し切った選手たちに、心からの賞賛を贈りたい。

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