人類学者の雑記ブログ(脳科学から統治理論まで、理系文系幅広く。)

  1. 生命・進化
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ヒトの人格や性格は、外圧の影響を受ける。

 以前、偶然に観た番組で、少年院に入っていた夫婦(※ふたりとも入っていた)が『更生したきっかけ』について話す場面があった。
 曰く、『子どもが生まれたとき』らしい。

 これは脳科学的に根拠のある話で、ヒトは出産を経ることで、いわゆる“穏やかさ”を養う神経伝達物質であるオキシトシンが脳内で分泌されるので、相対的に穏やかになる。
(男性も、子どもの顔をみたり肌に触れると分泌される。)

 一般的に、『環境は人を変える』といわれるのも根拠のある話で、いわば外圧によって脳内の神経伝達物質や体内のホルモンバランスが変化し、脳の器質が変化することで人格や人間性が変化することになる。(良くなる場合もあれば悪くなる場合もある。)
(参考:『氏より育ち』は正しいか。“能力の発現は遺伝子と環境のどちらに影響を受けるか”に関する結論

 ここで考えなければならないのは、外圧がヒトを変えるというのであれば、そもそものヒトの人格や自我は、本当にそのヒト由来のものといえるのかという点である。イライラした日も、心から笑った日も、実は外圧が仕向けた自然現象にすぎないといえるのかもしれない。ヒトのなんたるかを追求すれば追求するほど、ヒトと周囲の環境との境界線は曖昧になる。

 個としての私たちは、もしかすると私たちが思っている以上に、世界という外圧に影響された、選択肢の少ない受動的な存在どうしが相互に干渉し合った結果なのかもしれない。

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