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幼児教育(早期教育)の脳科学 -高いIQ(知能)を実現する子育てとは

 3歳までに多くの言葉を聞いて育った子どもは、そうでない子どもと比べて語彙力とIQ(知能)が高く、学業成績がよくなるという研究結果がある。話しかけるのは、生後ではなく出産予定日の10週間前からが理想である。

 生後は、子どもの顔をみて話しかけるのが大きなポイントである。ヒトの脳には相手の表情をみてはじめて活発に働く部位があるため、テレビやラジオからの一方的な言葉では効果はあまり期待できない。

『言葉の数』は『IQ(知能)の高さ』に比例する

 アメリカでの研究によると、生活保護を受けている世帯の子どもが聞く単語数は1時間に平均で600語、これに対して専門職に就いている親の世帯の子どもは1時間に平均で2,100語だった。前者の子どもは4歳までに約1,300万語を聞き、後者の子どもは4,800万語を聞いている。この差は、成長後の学力やIQ(知能)に影響を与える。

子どもには、語彙が豊富な話をする

 豊富な語彙は子どもの知能を高めるので、子どもへの語りかけや読み聞かせは、可能な限り語彙が豊富なほうが望ましい。例えば、『桃太郎』であれば以下のような内容が好ましいといえる。

【通常】
 むかしむかし、あるところに、おじいさんと、おばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。(65文字)

【豊富な語彙】
 むかしむかし、それは江戸時代かもしれないし平安時代かもしれない。もしかすると、それよりもむかしかもしれない。今からずっとむかしの時代。白い雲と暖かい太陽が特徴的で、そして明るい緑の木々と鮮やか桃色の花がいたるところにあふれるあるところに、ハキハキと喋るおじいさんと、テキパキと動くおばあさんが住んでいました。若い頃の面影を多く残すおじいさんは使い慣れた鎌を持って山へ柴刈りに、朝ごはんをたくさん食べて心も身体も元気いっぱいのおばあさんは溜まった洗濯物を持って川へ洗濯にいきました。(240文字)

 学力やIQに大きな差が見られたそれぞれのグループが子どもの頃に聞いた言葉が1,300万語と4,800万語であることを考えると、その比率を『桃太郎』で再現すると上記のようになる。(※1,300万語:4,800万語 = 65文字:240文字)

 なお、子どもに言葉を語りかける際に重要なポイントは、“子どもが必ずしも単語の意味を理解している必要はない”という点である。最初は分からない言葉でも、回数を追うごとに理解を深めていくことになる。

 子どものIQ(知能)を少しでも高めたいのであれば、日々の“語彙の豊富な”話を聞かせることが大切である。

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