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メタボリックシンドロームの原因は、油脂分の過剰摂取や運動不足よりも『糖』の摂取にある。『糖』を摂取する時間帯を変えれば影響は抑えられる。

 従来、メタボリックシンドロームの原因はエネルギーの過剰摂取や動物性油脂に多い飽和脂肪酸の過剰摂取などが主な要因であると考えられてきた。しかし、近年になって『砂糖』の取りすぎが主要な原因のひとつであることが分かってきた。なお、ここでの『砂糖』とは、食品に元来から含まれている糖ではなく、食品の製造過程で後から添加する糖(いわゆる“加糖”)を指す。すなわちメタボリックシンドロームの原因は、油脂分の過剰摂取や運動不足以上に、ジュースやお菓子などの取り過ぎにあると考えられている。現在、WHO(世界保健機関)は1日の砂糖の摂取を、摂取エネルギーの5%未満(小さじ6杯分(約24g)の砂糖)にするよう指針を出している。

『時間栄養学』から分かるメタボリックシンドローム対策

 これまで、砂糖の過剰摂取の問題はメカニズムが明らかにされていないためにあまり問題視されてこなかった。しかし最新の研究では、“時間栄養学”の研究によって肝臓脂質代謝のリズムの振幅が重要であることが分かってきた。時間栄養学とは、従来のような“体内時計が主に光によって同調されている”という考えではなく“食事によって同調されている”という観点から体内時計と食事を研究する学問分野である。
 この分野の観点から、摂食時間を日中の活動時間帯だけに制限することによって砂糖の過剰摂取による脂質代謝異常(脂肪肝や高中性脂質血症)が改善されると考え、ラットを用いて活動時間帯のみに砂糖を与える実験が行われた。その結果、砂糖の過剰摂取によって起きる脂肪肝や高中性脂質血症の改善がみられた。

糖の量を減らさずにメタボリックシンドロームを予防する方法

 時間栄養学研究から、昼夜を問わずに常に食事をすることで高コレステロール血症注が起きることが報告されている。逆に、メリハリのある摂取法として主に日中に限って食事をする“時間制限摂取”をすることによって高脂肪食による肥満などが改善することも報告されている。最新の研究成果では、砂糖によるメタボリックシンドローム予防にも時間制限摂取が有効であることが示されている。すなわち、砂糖の摂取量を制限することなく、摂取する時間帯を日中の活動時間帯に制限することによってメタボリックシンドロームを予防することが期待できる。

◇参考サイト
名古屋大学研究教育成果情報

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