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『飲み放題』は、飲酒量が1.7倍~1.8倍になるという調査結果。

 国立大学法人筑波大学医学医療系らの研究グループは、飲み放題でない場合に比べて、飲み放題では男子学生で1.8倍、女子学生では1.7倍に飲酒量が増加することを発見した。また、男子学生の39.8%、女子学生の30.3%が、飲み放題の際にHEDと呼ばれる“一時的多量飲酒”という危険な飲酒を行っていることが分かった。

『飲み放題』をとりまく世界の動き

 アルコール過剰の摂取は、世界的な問題となっている。WHO(世界保健機関)は、2009年に『一定料金での無制限飲酒』のサービスがアルコールの過剰な摂取を招くとして、サービス提供の禁止・制限を提言した。イギリスでは、これを受けて飲み放題サービスの提供に罰則が設けられた。日本でも2013年に『アルコール健康障害対策基本法』が策定され、国の方針である『アルコール健康障害対策推進基本計画』が2016年に策定されているが、日本ではアルコール飲料の購入が24時間にわたって可能であったり、多くの飲食店において飲み放題サービスが提供されるなど、未だにアルコールに対して寛容な環境がある。

 大学生を含めた10~20代の若年者におけるアルコール過剰摂取を原因として命を落とす事故は、世界で年間33万人に達している。しかし、アルコールの過剰摂取につながる可能性の高い飲み放題が大学生の飲酒に与える影響に関する調査は、近年になるまで行われてこなかった。

研究結果が示す今後のあるべき姿

 日本の関東にある31大学の学生を対象に行われた研究では、回答が得られた533人の学生のうち、95.8%に当たる511人が飲み放題を利用した経験があった。
 日本人の40~50%は、アルコールが飲めない、もしくは非常に弱い体質であることが明らかにされている。それゆえ、学生が飲み放題の利用時に通常の1.7倍~1.8倍のアルコールを摂取していることは、大きなリスクを含んでいるといえる。
 リスクを最小限に抑えるためにも、今後は飲み放題の利用が飲酒量に与える影響を理解し、サービスを提供する側はサービスのあり方について考える必要があるといえる。

◇参考サイト
筑波大学

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