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  1. 生命・進化
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生後10ヶ月の乳児は、他者の視線から好ましい人物を選ぶことができる。

 乳児が他者の視線情報を学習に用いることは、多くの研究で示されてきた。しかし、それらの先行研究では他者が物体に視線を向けている場面を乳児が見ているときの学習の促進効果などについては検討されてきたが、他者の視線が乳児の社会的選好に与える影響についてはあまり言及されてこなかった。

 京都大学大学院文学研究科の研究グループは生後10 ヶ月の乳児を対象に、他者の視線が向けられていたことによってその人物に対する選好がみられるかを検討した。
 実験では、2人のうち一方がもう一方の人物に対して『視線を向ける場面』と、『視線を背ける場面』を乳児に見せた。その後、他者の視線が向けられていた人物の顔と視線を背けられていた人物の顔を同時に提示して、乳児がどちらの顔を長く見るかを調べた。その結果、乳児は他者の視線が向けられていた人物の顔を長く見た。これは、他者の視線が向けられることで、視線を向けられていた人物に対する乳児の選好が高まったことを示している。

 この研究によって、乳児はヒトの視線が社会的関係において持つ意味合いを発達の早期から理解している可能性が示唆された。

◇参考サイト
京都大学

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