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『風邪にはビタミンCが効く』という説には科学的根拠がないという説

 『風邪予防にはビタミンCが効くので、たくさん摂取したほうがいい』という話は、誰もが一度は耳にしたことがあるかもしれない。しかし、こうした有名な方法が実際には効果がない主張する学者もいる。

Stefan Chin氏の主張

 ビタミンCが風邪に効く免疫物質として一躍有名になった理由は、ノーベル賞を受賞した化学者であるライナス・ポーリングが1970年に出版した書籍の中でビタミンCの『大量摂取』と名付けた手法を勧めたからといわれている。
 科学的裏付けや医学界の賛同は得られなかったにもかかわらず、彼が有名だったためにビタミンCが風邪に効くというアイデアは急速に広まった。ビタミンCは遺伝子がどのように影響を受けるかといった多くの生物学的な行程に関わっていたために、こうした考えが生じた。

 ビタミンCの不足は、特定の感染症への抵抗力を弱め、場合によっては壊血病のように命を落とすものもあるが、不足していない場合は過剰にビタミンCを摂取しても免疫力が増幅するかどうかは疑わしいといわれている。

 1万人以上が参加者した研究を調査したところ、ビタミンCの過剰摂取は風邪をひいた人の数にまったく影響がなかったと報告されている。なお、ビタミンCの過剰摂取によって風邪をひいている期間がわずかに短くなったという研究報告もあったが、別の研究ではその再現ができなかった。
 調査から総合的に分かったのは、マラソンランナーや北極のように寒い地域での軍隊の訓練など、身体的なストレスが極度にかかる場合でもない限りはビタミンCの摂取は推奨されないという点である。極寒のツンドラを探検する予定があるなら効果があるが、そうでなければ気にする必要はないという。

真偽については

 一科学者の主張が必ずしも真理であるとはいえないため、この報告をもって『風邪にはビタミンCが効く』という説を否定するのは早計といえる。また、『風邪にはビタミンCが効く』と主張する書籍やWebサイトも多くある。とはいえ、効果や効能を盲信することもまた、健康の実現のためには危険であるといえる。何が効果的で何が効果的でないかの判断は、時間をかけておこなうことが重要といえる。

◇関連記事:
『コラーゲンが肌に良い』は真実か虚実か。その効果の科学的根拠とは。
魚に含まれるDHAやEPAは、サプリメントによる摂取では効果が立証されていない。

◇参考サイト
「風邪にはビタミンCが効く」という説には科学的根拠がないらしい

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