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100年前の日本人が予測した100年後の日本【過去の人は未来をどう予想したか】

 今から100年前といえば、大正から昭和へと時代が移り変わろうとしていた激動の時代である。イギリスで起こった産業革命以降、日進月歩で世の中が大きく変わっていった。そんな約100年前の1920年、政教社が発行していた『日本及日本人』という言論雑誌にて『百年後の日本』という特集が組まれた。250人の著名人や文化人に対して、100年後である2020年の日本について大々的なアンケートを実施している。以下では、その回答の一部を紹介する。

『日本人口は2億6千万人』

 100年後の日本人口と米の需給量を予測したのは、当時の政府の山林局長だった鶴見左吉雄である。鶴見氏は『消費米二億七千百萬石』という記事で、100年後は人口増加によって米の需給が逼迫するとして『人口千人につき十五人弱が増加しているため、このままいけば100年後の日本の人口は約2億6千万人になる』と試算している。なお、現在の人口は試算の半分の1億3千万人である。当時の鶴見氏には、100年後の日本では社会構造の変化もあって少子高齢化の問題に直面するということを予想できなかったといえる。

『国の支出の半分が教育費』

 当時の早稲田大学の帆足理一郎教授は、『国費の過半は教育費になる』と予測した。教育の自由化によって国民のすべてが大学教育まで受けられるようになるため、国の支出の大半が教育費になると主張していた。現在の総務省統計局の『日本の統計2017』によれば、高校卒業者の大学などへの進学率は男子が52.1%、女子が56.9%で当時からみれば進学率は高いといえる。しかし、現在の日本の財政課題は教育費ではなく医療や福祉にかかる社会保障費である。名門大学の教授でも少子高齢化社会の到来を予測することは難かったといえる。

『漢字は廃止、英語が公用語に』

 『日本では漢字が廃止され、公用語に英語が採用される』と予測したのは国民英学会長の磯辺弥一郎である。世界が欧米を中心とした社会へと変わっていこうとしていた当時、英語は国際語としての地位を築き始めていた。磯辺は『(100年後は)漢字は全く廃せられ、英語が第二の國語と爲(な)るべし。これだけは地球大の印を捺して保証することができる』と予測した。しかし現在、日本では英語を社内公用語とする企業が登場しているが公用語にはなっていない。

『太陽光エネルギーの“貯電”が実現』

 当時の土木学者で現在の工学院大学の学長を務めた石橋絢彦は、『100年後の未来には太陽光エネルギーを活用して発電し、その電力を貯めておく“貯電”ができるようになっている』と予測した。この未来予測は概ね的中しているといえる。ソーラーパネルによる太陽光発電はすでに実用化され、自然エネルギーによる電力の蓄電技術の研究や実証実験も行われている。石橋氏は他にも貯水式水電(ダム)による水力発電や風力発電、資源の枯渇も予測しており、先見の明があったといえる。

『地球、火星間の通信が可能に』

 読売新聞社の記者だった柴田勝衛は、『地球と火星との交通』という記事で『無線電話の発達は、地球と火星との交通(通信)を拓くかも知れません』と書いている。日本と世界の都市を結ぶ国際電話もなかった当時、無線電話は夢の通信技術だった。

『雑誌の代わりに“畜音畜影装置”で発行』

 『日本乃日本人』の他にも、誠文堂新光社が発行していた科学雑誌『科学画報』の1927年1月号で『百年後の世界』という特集が組まれていた。特集では、100年後の科学画報がどうなっているかについて編集部が予測している。
 編集部では、100年後には紙媒体はなくなり科学画報自体も雑誌ではなく“畜音畜影装置”を使って発行されていると予測している。これは、現在のインターネットの動画ニュースやデジタルマガジンなどですでに実現している。もっとも、現在は紙の雑誌も存在している。とはいえ、デジタルメディアが発達すれば科学画報の予測通りになる日がやってくるかもしれない。

『“3Dホログラム”の編集会議』

 編集部は、100年後の編集会議は会議室に集まることなく世界各地から『離身電波』によって参加するシステムに変わっていると予測している。参加者本人の姿を投影する“離身像”同士で会議を進めると予測する。この離心電波に最も近いのは、実用化が目指されている『5Gネットワーク』や『3Dホログラム』の技術といえる。この会議システムが実現することで、世界のどこにいても会議にバーチャルに参加できるようになるかもしれない。

◇参考サイト
100年後の未来、どう予測?100年前の人たちが想像した「今の日本の社会」とは

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