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【図書紹介】『戦後世界経済史 自由と平等の視点から』

概要

 第二次大戦後の世界は、かつてない急激な変化を経験した。この六十年を考える際、民主制と市場経済が重要なキーワードとなるといえる。本書では、「市場化」を軸にこの半世紀を概観する。経済の政治化、グローバリゼーションの進行、所得分配の変容、世界的な統治機構の関与、そして「自由」と「平等」の相剋‐市場システムがもたらした歴史的変化の本質とは何かを明らかにする。

主な目次

第1章 あらまし
第2章 復興と冷戦
第3章 混合経済の成長過程
第4章 発展と停滞
第5章 転換
第6章 破綻
むすびにかえて

書評

 『戦後~20世紀の終わりまでに世界で生じた出来事が日本人の生活にどのような影響を与えたのか』という観点から書かれた“日本人が書いた戦後世界の経済史”。
 戦後のアジアの興隆から、アメリカ・ソ連の冷戦、ポーランド・ハンガリー・チェコスロヴァキア・ユーゴスラヴィアなどの社会主義経済の停滞、アフリカの脱植民地の動きをはじめ、世界における人口増大、高齢化、少子化、資源と食糧問題、技術革新など幅広い分野に触れている。また、戦後のヨーロッパ経済に大きな影響を与えたモルゲンソープランやマーシャルプラン、ソ連の人工衛星打ち上げによる“スプートニク・ショック”、日米の経済競争とアメリカ産業(鉄鋼業・自動車産業・その他の製造業)の停滞に至るまで、世界経済を大局的に捉えながらも戦後の経済に大きな影響を与えた出来事が詳細に記されている。
 文量が多く、なおかつ詳細に書かれているため中級者~準上級者向けの一冊となっている。戦後の世界経済の流れを政治的側面と共に理解するために何度も読み返したい良書。

タイトル:戦後世界経済史 自由と平等の視点から
著者  :猪木 武徳
価格  :940円+税
出版社 :中央公論新社
発刊日 :2009年05月25日
ページ :424頁
サイズ :新書判(タテ172mm×ヨコ110mm)

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